オレの世界の中心、その軸を守るためなら何だってする。
SPARKLING
「、ちょっと青春学園ってところに編入してきてよ」
「はあ?嫌だね」
そう言った瞬間、黒髪の男がオレに辞典を投げつけてきた(あれは当たったら絶対に痛い!)それをスルリと避けてオレはソイツに「雲雀!」と叫ぶ、雲雀はと言うとこっちを見ることもせずケロッとした顔をしていた。
「さっさと行け」
「なんでオレが青春学園って所に行かなくちゃいけないんだよ、それにオレからボスを取り上げる気か!」
「いい加減、その依存どうにかしたら?いい機会じゃないか」
ほくそ笑みながらそう言ってきた雲雀にオレは言葉に詰まる
雲雀が立ち上がって俺のそばに近付くとグイっと書類を押し付けてきた。なんだこれ
「これなんだよ」
「青春学園で君にしてほしいことの依頼リスト。」
「だから何のマネだよ!そんなにオレから彼を引き離そうとしたいのか」
そう言うと雲雀は不機嫌そうな顔で「その彼が命を狙われているんだよ」と言ってきた(何だと聞き捨てならん)オレが食いつくような顔をすると雲雀はもっと不機嫌そうな顔をしながら言葉を続けた
「最近並盛に不審人物が目撃されていてね、沢田綱吉を尾行していることが分かった。」
「そんなの雲雀たちが排除すれば…」
「排除しようと捕まえて尋問にかけようとした瞬間に自害した」
「身内同士のオメルタ…同じマフィア関係だな」
察しが良いとでも言いたいのだろうか、彼は満足そうに目を細める。
「そう、マフィア関係だ。洗いざらい身元を調べてみるとある私立学校に通うやつがが裏で糸を引いていたらしい。だけど今回はそいつの名前までしか調べだせなかった」
「それでオレが青春学園へ…ってことか」
「君の沢田綱吉への執着は異常だからね、適任だと思ったんだ」
そこでまた雲雀は顔を不機嫌に歪ませた「おもしろくないけど」ボソリと呟く彼にオレは苦笑する。
さっきから会話に出ている沢田綱吉と言う名前は同じ並盛高校に通う1つ下の後輩だ、彼は今の若さでイタリア最大の勢力を誇るマフィアボンゴレの10代目であり俺達の上司だ。俺たちは彼を守る守護者と呼ばれる幹部。まあ雲雀の言った通りオレは彼に依存している、小さな頃から特異体質で邪険にされ続けていたオレを一番最初に受け入れてくれてその懐にオレを抱え込んでくれたのだ、いわばオレの世界(おおげさかもしれないけど)彼を守るためならオレは命を差し出せる覚悟が出来ている
「分かった、行くわ。だけどなんかあったら」
助けてくれよ、と続けると雲雀は驚いた顔をしたあとに満足そうに笑うと(しかしこいつの笑った顔が漫画に出てくる悪役のようで怖い)オレの頭をくしゃくしゃと撫でた。
突然のことに放心状態のオレに彼は当初の位置に戻った
「行って来いよ、」
「ははっ、大丈夫だよ雲雀」
オレはお前も一番だ。ひらひらと手を振って応接室を後にした。
「さて、と」
オレの足はボスのもとへと向かっていた、青春学園にしばらく滞在すると伝えなければならないからだ、その足取りはひどく重かった。(行かないでって言われたら、たぶんオレ鼻血吹いて喜んでここに残っちゃう!)
ガラリと音を立てて教室のドアを開けるとお目当ての彼が居た
「!?どうしたの?」
「ボスッ、あいたかっ…ぐえっ」
オレの抱擁を阻止したのは獄寺隼人。自称10代目の右腕だ
「10代目に気安く触ってんじゃねえ!この変態!」
「うるさいな、駄犬が」
「ちょっ、2人とも落ち着いてよ!はどうしてここに来たの?」
慌ててオレ達の仲裁に入ったボスにオレはにっこりと微笑む(ああ!なんて優しいんだ!きっとボスはこの地球最後の天使かなんかなんだろうな)少し顔が引きつってる気がするが気にしては居られない
「そう、ボスに言いたいことがあって…」
「なんだよ、さっさと言えよ」
「お前に大して言ってない、このクソ駄犬」
「まーまー、も獄寺も落ち着けって、ツナが困っちまうだろ」
牛をあやすかのようにドードーと言いながらマイペースに仲裁するのは山本武。気さくなやつだがたまに何か怖い雰囲気を纏ったりする(ボスの家庭教師いわく天性の殺し屋だそうだ、ぶっそうだな!)
「オレは明日からちょっとした所用で青春学園って所に編入することになって…ボスとしばらく離れることになったんです」
「青春学園って、テニスで有名な所だよな!」
「そう、そこだ」
しばらくボスは考えて「の世界が広がるなら」と言ってくれた。
彼はボンゴレのボスになってから人並みはずれた懐の深さと超直感を発揮しはじめた、その魅力に魅了された多くのファミリーは彼をすぐに受け入れ歓迎した。
そんな同年代とは違う考えを持った彼にオレは安心したように微笑むと「連絡してくださいね」と言った
「そんな一生の別れみたいに言わないでよ、あれでしょ?ヒバリさんに言われて任務で行くんだよね?」
「(そこまで詳細に分かっちゃうなんて!超直感こええええ!!)うっ、そうです」
「何かあったらオレ達はすぐにを助けに行くから大怪我だけしないように」
「…ボス、行って来ます」