「ってバイク乗ってたの?」
「ゲッ…!(これはマズイぞ!)」
とんでもない所をテニス部面々に目撃されてしまった、いったいこれをどう処理すれば良いんだろう!(助けて神様!もといボス!)
SPARKLING
部活の帰りにいつも通りバイクで帰ろうと周りよりも早く学校から出ていたのが運のつきだったらしい、ちょっとバイクの前で電話をしていたら彼らに遭遇した。予想外の出来事にオレの顔がひきつる(ちなみ青学の一般生徒には力を使うなとボスの家庭教師からの命令で使えない、ちくしょう!)(最近のオレは不運だ!)ぎこちなく笑って見せれば白々しい目で見られるしどうしたものか。
しばらく黙っていると桃城が声を上げた
「校則違反はやっちゃいけねえな…いけねえよ」
「バカッ!おまえ!ここにバイク止めてそっから歩いてれば違反じゃないだろ!オレはバイクで学校までは行ってない」
「いや、。それは…」
「いや、むしろこのバイクがオレの家だ!」
「見苦しいっすよ、センパイ」
越前にそう言われオレは「いわないでくださあい…」と言うと、不二がこっちへやって来てそして
「考えてやらないこともない、かな」
「え?本当に?」
「そのかわりに今日はの家にご招待してねーんっ」
語尾に星のマークが着きそうな勢いで菊丸がそう言うと皆頷いた「え、なんで?」思わず聞き返すと桃城が前からオレの住んでいる場所を知りたかったと語る。なんでも何時も先に帰るため部活以外でそんなに接点が無いオレはテニス部メンバーの中では謎に包まれた男なんだそうだ。オレは少し考え込んで家に上げようと決心した(オレの決心は安いとか言わないで!)このまま告げ口されて退学よりかはマシだ。
「歩いて行くとなるとこっから15分くらいかかるけど、それでも良いなら」
「じゃあ、交渉成立っすね」
重いバイクをズンズン押して家への道を歩く、オレの後ろには不二、菊丸、桃城、越前が着いてきていた。そう言えば変なものは家に置いたままじゃないだろうなとか色々考えていると桃城が声をあげる
「センパイって体格の割には力ありますねー、って言うかそもそもバイクの免許持ってるとかスゲーな、スゲーよ…」
「え…あー、そうだよ。(免許持ってないとか言えねえええ)」
「クスッ、は車とか乗り回してそうだよね」
「まあ、たしかに車のほうが使うなー。バイクは小回り利くから便利だけど」
そう言うとゲッっと顔を歪めた一同。なにか問題でもあるのか!(もちろん車の免許もないけどな!)
そうこうしている内にオレの家に到着した。車庫にバイクを置いてくると不二たちはまじまじとオレの家を見上げていた
「広っ、ここって去年出来たマンションっスよね?」
「そうみたいだけど、オレも一人暮らしにしては広すぎるよなって常々思ってるよ」
「一人暮らし!?うわ、すげえにゃー」
驚きすぎたろ、とか思ったが満更嫌な気もせずに(ナルシストとかではない!多分)オレはエレベーターホールに皆を通すと最上階のボタンを押してエレベーターが上がっていくのを無言で待った。越前がやけにそわそわしているので「トイレか?」と聞くと「ふざけてるんっすか?」と返された。ふざけてないです(すんませえん…)なんでも日本の高層マンションが初めてなので若干緊張しているとのことだった
最上階に到着してエレベーターから降りて一番端の部屋に辿り着くと鍵穴に鍵を突っ込むことも無くドアノブを回した(もっと警戒しろと全員に言われた、だってオレの家盗られるものとか何も無いし)
「勝手にあがっていいよ」
「「「「お邪魔しまーす」」」」
フと黄色い物体がオレの前を通過した、オレは即座にそれを回収して部屋を色々捜索して恐れていた事態はなかったと胸を撫で下ろすと黄色い物体を離して様子を伺った、しかし潰れてなくてよかった!
黄色い物体は羽を伸ばしてオレの頭の上に乗る
「やあ、黄色い鳥」
「ヒバリ!ゴハン!ヒバリ!」
「…オレは雲雀じゃないよ。」
こいつはボス達からはヒバードと呼ばれている雲雀の鳥だ(前に雲雀の前でヒバードって呼んだら、センスの欠片も無いと言われて鉛筆削りを投げられた)
「は鳥も飼ってるの!?」
「違う、これは知り合いの鳥。」
「ほえー、預かってるの?」
「いや、窓開けっ放しだから勝手に入ってくるんだ」
「うん、オレはもっと防犯対策したほうが良いと思う」
菊丸にそう言われ苦笑いしながら「この家に盗られて困るものとか1つも無いから」と返しておいた。と、リビングで凄い音がしたのでオレは菊丸を部屋に残してリビングへと走った
「って何かたまに怖いんだけど…」
(1語1句嘘を吐いていない気がして、ゾッとする)(盗られて困るものなんて部屋中にいっぱいあるように見えるのに)
「んにゃー、よくわからん」